ブエン・クマーノ!熊野古道・中辺路を歩く:Day1
2020年11月17日(月)快晴!
計画編からめっちゃ放置しましたが...忘れた頃に再開
行程:
滝尻王子 11:00 → 高原 13:00
移動距離:4km
熊野本宮大社まで:34km
中辺路のコースガイドについては、田辺市熊野ツーリズムビューローさんのページをご覧あれ。
さあ初日。めっちゃいい天気です!上がります!
早朝に京都を出て、「くろしお」でびゅーんと紀伊田辺駅へ。駅横の観光案内所でささっとスタンプ帳を購入し(無料でもらえる巡礼手帳もあります)、地図をいただいて路線バスに乗り換える。駅前には団体さんもいて、おー、やっぱ平日でもたくさん歩かはるんやなあ、と思ったけど、中辺路の出発地点になる滝尻で降りたのは、私ひとりだった。
いきなり...誰もいねー...
時間は11時。
今日は高原まで、4km歩くだけ。たった4km。もう1本遅い電車で、昼過ぎ出発でも十分間に合うけど、高原がすごくよさげなところらしいので、ゆっくり過ごすためにめっちゃはりきって早めに来た。
スタートはここ、滝尻王子。境内にお茶処もあるのだけれど、今日はお休みなのでほんと誰もいない...
中辺路は人気って聞いてたから、平日とはいえもうちょっと人いるかなと思ったけど、通しで歩く人は少ないのかね。
スタンプを押して歩き始める。いきなり山道。
おお...おおおお...
はなっから、なかなかの登りやで...
「小辺路に比べたら中辺路は楽ちん♪」と聞いていたのですがー、なかなかハードな登りが続くやないのー。初日4kmでよかったわー。1泊2日プランだと結構きついんじゃないのこれ?
でも、お天気がよいから気持ちよい!今年はあちこちでクマが出没しているから、ちょっとびびりつつ、クマ鈴をからんからんいわせながら登る。20分くらいとろとろ登ったところに、スタンプあった!
4kmとはいえ、高原まではずっと山道を登っていくので、2時間ほどかかるみたい。地図に、だいたいの所要時間が書いてあるので、これを参考にしながら進む。だいたいこういうのは長めに書いてあることが多いけど、中辺路ルートのコースタイムは、私の脚だとほぼ同じくらいだった。
誰にも会わないまま、ひたすら登り続けると、ふと目の前が開けて畑と人家が見えた。高原着いたー!
滝尻王子から高原まではずっと山道で、ほんと登りばっかだったけど、中辺路ではここが一番きついらしい。出だしがいちばんえぐいって、フランス人の道と同じやな。
畑にいたお猫さまと少し遊んで、こじんまりした高原神社にお参りに。
ぽつぽつと人家があるくらいで、お店らしきものは見当たらない。神社の前に、1軒だけ開いている宿兼カフェがあった。ランチは、今日泊まる宿、霧の郷たかはらさんで食べようと思っていたので、そのまま集落を抜けてまずは宿へ向かう。
中に入ってみると、思っていた以上にステキな宿。めっちゃ人気があるので、普段なら特に外国人に大人気で、何か月も前に予約しないとなかなか泊まれないらしいんだけど、コロナ禍の今は平日ならすんなり予約が取れた。中辺路はとにかく宿を取るのがたいへんらしいので(歩いてみるとその訳がわかった。ほんとに宿が少ない)、コロナ禍ならではで組めた予定ではある...
チェックインは15時以降とのことなので、荷物だけ預かってもらって、さっき通りかかったカフェでランチを食べることにした。
旅籠まさらさん。
宿の前の小ぢんまりしたお庭にテーブルが3つ。日本語がめっちゃ上手なフランス人の若女将のサラさんがお水を持ってきてくれた。宿はまだオープンしたばかりで、日本人の旦那さまと2人で切り盛りしているそうな。ランチは、若女将が作ってくれるガレット。
さっきまでごりごり山道登ってたのに、こんなしゃれたランチが出てくるとは...おいしい...
よかったら、ケーキもありますよとのことで、サラさんがフランスのおうちでよく作っていたというパイナップルのケーキも追加注文。出てきて驚いた。
でも優しい甘さでぺろっと食べられました。ここの宿もいいなあ、ごはん絶対おいしいやん!
カフェでゆっくりさせてもらって、展望台から景色を眺めたりして、チェックイン時間に宿に戻る。お部屋はトイレ付きで、かわいい洗面台もあって、縁側からは絶景!
おおお贅沢ー!
しかもお風呂は、わたらせ温泉から温泉を運んできてるとのこと。♨おんせん、温泉うれしいいいいい。さっそく入らせてもらう。石造りで落ち着ける。ひー極楽うぅぅ...
暮れていく空を眺めつつ、しばしまったりと。
中辺路恐るべし...なんだこの絶妙な贅沢感...
18時、お楽しみの夕食の時間。レビューで、ごはんも激賞されていたから期待が膨らむー。
道中は誰にも会わなかったけど、ここには20人近くのお客さんがいた。ごはんを食べ終わったら、焚火のあるテラスで、デザートのソルベ(これも自家製)をいただく。焚火うれしい焚火ー!そして、オーナーさんによるスパニッシュギターのミニライブ。
空は満天の星。天の川も見える。
お客さんの中に、天文観測が趣味の方がいて、その後は宿にある天体望遠鏡を使って即席の天体観測会。すばる星団や接近中の火星を見ることができた。
はー、贅沢な夜だった...
小辺路は、全面的に「ニッポンの正しい民宿!」的な、昔ながらの民宿だったから、中辺路の和と西洋ミックスな度合いが想像以上で、ちと驚いた。ここも、翌日泊まったゲストハウスも、普段はお客さんの9割がたは外国人だそう。...それもある意味カミーノと似てるな...。せっかくのすてきな道、もったいない!日本人ももっと歩こうよ!
明日は、もしかしたら雲海が見られるかもしれないのでめっちゃ早めに起きるつもり。ここ10日くらいは出ていなかったらしいけど、果たして?
※2019年にフランス人の道を歩いたときのカミーノ日記はこちら。